一瞬でわかる!アジャイル開発が新規事業の立ち上げに向いている理由

mofmof新規事業担当四天王(全2人 2019/8/1現在)の岩井です。今回は話題になって久しい「アジャイル開発」がソフトウェア開発…特に新規事業の立ち上げに向いているのはなぜかということについて、すごく噛み砕いてサクサクと語っていきます。用語も噛み砕いたものを使ってみます。

ちなみに掲題についてですが、一瞬でわかりたい方はまとめだけ読んでいただければと思います。

目次

  • アジャイル開発と新規事業開発の特徴
  • 従来型で新規事業に挑んでみると
  • アジャイルと新規事業の相性
  • まとめ

アジャイル開発と新規事業開発の特徴

アジャイル開発とは

アジャイル開発はどういうものかというと、よく見る図ではこんなくるくるで表現されていると思います。

小さいサイクルを短い期間で繰り返し、出来上がった部分を順次リリースしていく手法になります。1サイクルの流れを見ていきましょう。

起点イベント

  1. 出来上がっている部分の確認とフィードバック
  2. タスクを出す
  3. タスクの優先順位や消化計画を立てる

作業フロー

  1. 取り掛かるタスクの内容を詳細化
  2. 開発&テスト
  3. リリース・機能完成判断

これを何度も繰り返し、少しずつソフトウェアを作っていきます。

特徴としてはリリースの都度ソフトウェアを触って成果を確認でき、認識の相違や仕様上の欠陥等を早期に発見できる点が挙げられると思います。これによって素早く柔軟に方向転換をすることができます。

新規事業開発の特徴

他の記事でも触れていますが、新規事業立ち上げフェーズの開発では心に留めておくべきことがあります。 それは「どんなに自分が素敵だと思って作っても、使ってもらえなければ意味がない」ということです。

だからこそ新規事業の立ち上げにおいては使ってもらえるかどうかを検証することが重要です。具体的には課題仮説、ソリューション仮説を立て、それぞれを検証した上で開発フェーズに進みます。

そして、開発段階では、「提供者側の目線で良いプロダクトが、利用者目線でも良いものであるとは限らない」ということに気をつけないといけません。どうしても作る側は多くの利用者とは違う目線でモノを見てしまうものです。

たとえプロダクトが完成しても利用者から不評であれば、その完成品はボツになります。そして、利用者が本当に欲しいものがわかったところで、作り直すのには相当なコストがかかります。

新規事業は先の見通しが立ちづらいのが特徴であり、そこかしこに落とし穴があります。実際に利用してフィードバックをもらうまで正解がわかりません。

新規事業に従来の手法で挑んでみると

本筋から離れますが、新規事業の開発に従来型の手法を用いて取り組むとどうなるか考えてみましょう。(フィクションです)

例として、弊社の新規事業トライ第一弾「VR酒屋」を題材に考えてみます。

ウォーターフォール型と呼ばれる従来型の開発手法のフローは下記のようなイメージです。多くの場合、それぞれの工程を専門の担当者が担当しますので、今回も社内の複数人で取り組むということにしてみます。

  1. 要件定義: 事業で実現したいことを明らかにする
  2. 概要設計: 要件をシステムとしてざっくりと表現する
  3. 詳細設計: システムをプログラムに落としこめる粒度まで詳細に設計する
  4. 開発: 詳細設計を元にプログラミングする
  5. テスト: 成果物の検証を行う

こいつに則ってVR酒屋というプロダクトを形にしていきましょう。

要件定義: 事業責任者

「VR酒屋で実現したいことはたった一つ。実店舗と通販のいいとこ取りをしたものをVRで表現し、酒の購買体験をアップデートすることである」と責任者が言いました。

実現したいことはこんな感じです。

  • 酒屋のあの酒瓶に囲まれる感じがたまらないので、それは表現したい
  • 仮想世界でなんでも表現できるのだから、大きく売り出したい酒は派手にPRしたい

楽そうですね。ちゃちゃっと見積もって予算取りましょう。ちょっと余裕を持たせ、3ヶ月で1000万くらいでしょうかね。

概要設計: ベテラン

プロダクトを作るには要望がざっくりしすぎているので、事業責任者とベテランとの間でもうちょっと深掘りします。結果はこんな感じでした。

  • 「VR酒屋で実現したいことはたった一つ。実店舗と通販のいいとこ取りをしたものをVRで表現し、酒の購買体験をアップデートすることである」
    • VRでお酒を買いたい
    • リアルさは実店舗のようにしたい
    • 利便性は通販のようにしたい
  • 酒屋のあの酒瓶に囲まれる感じがたまらないので、それは表現したい
    • 酒瓶がたくさん並ぶ感じにしたい
    • 360度、現実にはないような表現で酒瓶に囲まれることで実店舗を超えたい
  • 仮想世界でなんでも表現できるのだから、大きく売り出したい酒は派手にPRしたい
    • 現実にはありえないがモダン感のある表現で商品をわかりやすく紹介したい
    • お酒のジャンルごとにそれっぽい雰囲気作りをしたい

これを設計書にいい感じに書き起こして、と。思った通り3ヶ月あれば大丈夫そうです。

詳細設計: 主任

ベテランの概要設計を元に、プログラムに落としこめる形にまで考えて設計書を作ります。

店舗はだいたい5×6mくらいでいいか。…以下略

開発: プログラマ

詳細設計を元にコードを書いていきます。VRなのでGUIでも色々と操作をしていきます。

やばい、思ったより表現が難しい。5×6mってなんか狭い気がするな…? でも設計書通りに作らないと壊れてしまう。

酒瓶をたくさん並べるのも難しいな。あ、詳細設計に書いてある通りに実装したら他の箇所と矛盾があってうまく動かない…。設計書から考え直さないと。主任ー!

テスト・受け入れ

挙動は怪しいけど、期限ギリギリでなんとか一通り完成しました。世の中に出してみます。


「暗くて見辛い」「空間が狭くて圧迫感がある」「酒が探しづらい」「解像度が低いのにものが多くて見辛い」との声。あまり売れませんでした。

失敗ですね。想定外のトラブルの発生、前工程の不備による手戻りロス等に見舞われつつも、事業責任者のほぼ想定通りのプロダクトが出来上がりました。が、世間の声は厳しいものでした。

では、アジャイルで取り組むとどうなるのでしょう。

アジャイルと新規事業の相性

コテコテの構成なので先が見えているかもしれませんが笑

先ほどと同じ題材にアジャイルで取り組んでみましょう。

プロジェクト開始前

従来型の要件定義フェーズで行ったようなことをざっくりとやります。

  • 酒屋のあの酒瓶に囲まれる感じがたまらないので、それは表現したい
  • 仮想世界でなんでも表現できるのだから、大きく売り出したい酒は派手にPRしたい

「VR酒屋で実現したいことはたった一つ。実店舗と通販のいいとこ取りをしたものをVRで表現し、酒の購買体験をアップデートすることである」

というキーワード、プロジェクトチームの向かう先をぼんやりと描いておきます。

その後、プロダクトの責任者がVR酒屋に盛り込みたい機能を洗い出し、全て書き出します。

プロジェクト開始後

VR酒屋はそこまでボリュームが大きくないので、週一度定例ミーティングを設けることにしました。 開発ボリュームによっては二週間に一度だったりします。

最初の定例では、無数にある機能一覧から、次回の定例までに取り組むものを選択しました。

  1. VR世界に店舗を設置してみる
  2. 酒瓶を置くための棚を設置してみる
  3. 酒瓶を設置する

2回目の定例です。前回やることになっていたタスクが無事消化できたので、製品を確認してみます。

「店舗が思ったより小さくて圧迫感があるな」
「棚も無機質なものより木製のように自然な材質の方がいい」
「解像度の関係もあるので酒瓶は現実より大きめにして表示した方が見えやすい」

フィードバックを得ることができたので、改善タスクとしてリストアップしました。

次は、

  1. 酒瓶をクリックしたら詳細画面が出るようにする
  2. 改善タスクに取り組む
  3. 商品ごとに購入ボタンやお気に入りボタンを設置する

に取り組んでいきます。

以下、これを繰り返していきます。

完成

途中で酒屋スペシャリストを招いて開発中のVR酒屋を体験してもらったのですが、そこでもらった意見も反映しつつ無事良いプロダクトができました。当初考えていたものとはだいぶかけ離れた形になりましたが、使ってくれる人から良い評価がもらえているので満足です。

まとめ

やや茶番を挟みましたが。新規事業の開発で押さえておくべきポイントは、

  • 作ってみるまでわからないことが多い
  • 触ってもらうまでわからないことが多い

この二点です。

そのため、上記の例で従来型は失敗し、アジャイルは成功したわけですね。

開発に至るまでの工程が長く、作り始めたあと・触ったあとの修正に対応しづらい従来型の開発は新規事業にマッチしません。一方、すぐに作りすぐに触り、すぐに改善に取り組むことができるアジャイルは新規事業に非常にマッチしています。

進捗管理という面では、従来型は現在誰のどんな工程が進行中かわかりやすく、アジャイルでは製品の状態が常に見えるという差異があります。

プロダクトの発注者目線では、前者は最初の一度案を固めたらあとは一定のフローに乗って流れていく状態を見守る形になります。後者は、作業が進むごとに都度チェックしてフィードバックをし、開発者と共にチームで活動していくようなイメージになります。

新規事業という先がわからないものに対しては、一緒に考えて模索していける体制の方が心強いですね。

以上、新規事業の性質とアジャイルがフィットしている理由でした。

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