DXとは何か?アジャイル開発とDX化の関係とは?

B!

こんにちは、mofmofのエンジニア兼代表の原田です。

DX流行ってますよね。どこもかしこもDXだDX化しろと盛り上がっていて、今や任天堂スマッシュブラザースや星のカービィにまでDXがつくご時世。これらのソフトと共に少年時代を生き抜いた身としては大変感慨深いものがあります。

星のカービィに至っては、DXを更に超越したスーパーDXと銘打っていることもあり、それはまあさぞかしDXなんだろうなあと思いを巡らせております。

さて今日は今話題のDXとは何か?DXの深淵に迫っていきたいと思います。

DX化

DXの定義

2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念で「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」だそうです。

引用: デジタルトランスフォーメーション - Wikipedia

はい、ここで「何か言っているようで何も言ってないよね」って思った方。

おめでとう、正解です。

ぶっちゃけていいますと、DXって言葉はただの象徴であって、あまり深い意味はありません。「ユビキタス」とか「クラウド化」とか「Web2.0」とかと同じ意味だと思っておいても、あなたの人生で支障を来すことはないでしょう。どうぞご安心してお過ごしください。

こちらのツイートが秀逸なので貼っておきます。

DXが生まれた時代背景

こちらがエリック・ストルターマン教授による原典です。

INFORMATION TECHNOLOGY AND THE GOOD LIFE

一部の日本語訳はこちら。

デジタルトランスフォーメーションとは — ブログ 株式会社Spelldata

英文読んでも日本語訳読んでも、ちょっと小難しくて分かりにくいですね。かろうじて読み取れるのは、「あらゆるオブジェクトに情報技術が溶け込んでいき、それらのオブジェクト・パーツは通信するようになる」という主張くらいでしょうか。

エリック・ストルターマン教授によるDXは2004年に提唱されており、現在2021年から17年も前の話です。少し思い出してみましょう。2004年周辺の日本のインターネット界隈の出来事はこんな感じでしょうか。

  • 1999年 ADSLサービススタート
  • 2001年 光ファイバーによるインターネットサービス開始
  • 2004年 ブロードバンドがナローバンドの普及率を逆転
  • 2004年 mixiサービス開始
  • 2007年 iPhone3Gが発売
  • 2007年 セカンドライフが流行

参照: 総務省|令和元年版 情報通信白書|インターネットの登場・普及とコミュニケーションの変化

2004年のDX(デジタルトランスフォーメーション)の提唱と同時期に、日本ではブロードバンドがナローバンドの普及率を逆転しています。

ブロードバンドとナローバンドの普及率のグラフ

引用元: ブロードバンドインターネットの普及 : 平成23年版 情報通信白書

「インターネットに常時接続」が常識となった時代でした。常時インターネットを介して世界に接続出来るというパラダイムシフトがDXの概念を生み出したと想像して矛盾はなさそうです。

なぜDXなのか?

さて、昔話はこのくらいでいいでしょう。

個人的には定義や概念を理解しようとしても何ら面白くないので、なぜ今DXだDX化だと盛り上がっているのか。誰がなんの目的でDXだって声高に叫んでいるのかを探ってみます。

実はこのDXを一生懸命旗振っているのは経済産業省です。経済産業省は、日本の経済・産業の発展をミッションに置いている組織で、要はGDPを上げたい。

そこで、日本でのIT活用が諸外国と比べて遅れをとっていることに目を向けて、DXという旗のもとIT活用を推進してGDP上げようぜ、という算段でしょうか。

こちらが2018年に経済産業省が策定したガイドライン。

デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン

経済産業省曰く、

  • PoCとかやってるのは分かるけど、お前ら全然ビジネス変革してなくね?
  • そんな古くさいシステム使ってちゃせっかくのデータ生かしきれなくね?
  • だから経営者さ、お前らがコミットとしてこの状況どうにかしろよマジで

ということが書いてあります。

この「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」が策定されるまでの経緯が公式に文書として残っているので読んでみます。

デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会 (METI/経済産業省)

デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会(第1回)議事要旨(抜粋)

(3)あるべきITシステムを実現する上での課題は何か。 ・IT資産が巨大化している今般、刷新する業務の大きさや方向性が分かって おらず、ユーザ側はベンダーに丸投げ状態。ベンダー側もそのまま要望を受けてしまうという構造に問題がある。

・ 日本において、ベンダー企業はユーザ企業のことを理解しているだろうと 認識され、ベンダー責任になりやすい。

・責任は全てベンダー側にあると判断されるような状況下では、レガシー化 しているシステムの刷新は、ベンダー側のリスクが高すぎて負いきれな い。

・中堅・中小企業は大手企業と比較すると、よりシステム刷新をベンダー企 業に丸投げすることが多く、自力でやり遂げることは困難。

・ITのことは難しいと言われる一方、ベンダー企業はユーザ企業のドメイン の知識があまりないというような状況。

・デザイン思考やアジャイルなど様々な要素を取り入れ始めているが、米国 と比較すると日本の遅れを感じる。

・IT技術が陳腐化する中、日本の終身雇用制度と合わないため、人材育成・ 獲得が大きな課題となっている。

・米国の大学では、IT授業の中でAIとは何か、どのようなロジックなのかと いう教育を施しており、日本の大学においてそれが実施できているかが気 になる。

デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会(第2回)議事要旨(抜粋)

・デジタルトランスフォーメーションで何ができるか、明らかにできていな いが、それを明らかにできる人材を育成することが重要。

・ユーザからベンダーへのシステム発注の丸投げ問題は、ユーザ側が甘やか されてきた歴史であり、これを解決するにはベンダーと協力して中間的な 立場を確保していくしか解決策はないので、実現するための何らかの仕組 みを考えていかなければならない。

デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会(第3回)議事要旨(抜粋)

・アジャイルのイメージとして、比較的小規模で世の中の動きに対して迅 速・柔軟に対応できるものに適していると思われるが、将来的に大規模な ものに適用するにはどうすればよいかを検討して経験を積み重ねていく必 要があり、その促進策として税制優遇などがあればよいのではないか

・アジャイルの契約について、現状ではユーザはベンダーに対してペナルテ ィを課すことはあってもインセンティブを与えることはないので、契約の 仕方によって成果に応じたインセンティブを与えることを検討してはどう か

・アジャイルとは自社の仕組みを内製化しているアメリカの概念であり、日 本におけるユーザ・ベンダーの関係においてアジャイルは日雇い文化と化 すことを危惧している

要約すると、日本の経済・産業を発展させるためには、ITが必要不可欠なのにも関わらず、ベンダー企業とユーザー企業共に効率的・合理的なやり方が出来ていない。

IT人材が不足が続く中、人材の育成はちゃんとなされていいないのではないか。教育機関によって十分なIT教育はなされていないのではないか。

というような課題が挙げられています。

長らくこの業界で生きてきた身としては、ああ、この国のIT活用の問題、お上はちゃんと理解しててくれたんだ。という満たされた気持ちになりホッコリしました。

DX担当者は一体何をすべきなのか?

DXについて概ね理解し、経済産業省が民間企業に何をして欲しいのかだいぶ見えてきました。

繰り返しになりますが、DXなんて言葉にさしたる意味はありません。それは経済産業省がGDPを上げるために業界を牽引すべく一生懸命振っているただの旗です。やるべきことの本質は今も昔も何ら変わっていません。

DX化でやるべきことをまとめるとこれです。

  1. 既存のITシステムに関して、本当にそれを使い続けることがコスパいいのか見直し、検討しましょう
  2. 新規構築しようとしているシステムが、本当に自前で構築する必要があるのか検討しましょう。出来るならクラウドのアプリケーションを使いましょう
  3. 自前で作るなら、ユーザー企業はベンダーに丸投げする姿勢を改めて、自らシステムのことを学習し、自らの責任でシステムを構築しましょう
  4. ベンダーは顧客にとってシステムを構築する価値がなんなのか、仕様書に書かれていないWHYの部分を死ぬほど理解して開発に臨みましょう(自分ごとなので強調しました)
  5. 業界関係者は上記の3,4が出来る人材を育成しましょう

一つ一つのことが一大事業です。正直、一夕一朝で実現出来るものではありません。この記事を読んだからといって、「よっしゃ完全に理解した!DX人材にオレはなる!!」とか言う人もほぼいないでしょう。

DXとアジャイル開発

DXについてよく調べるまでは、アジャイル開発との関連性を全く認識していませんでした。実はDXとアジャイル開発は密接に関係しています。

アジャイル(Agile)とは 「素早い」とか「機敏な」という意味で、従来型のウォーターフォール型開発と違って、最初に決めた計画の通りに一つ一つ工程を進めていくのではなく、漸次的に設計・開発・検証・計画を細かく繰り返している手法です。

アジャイル開発の基本的な概念はここでは詳しく述べないので、こちらの記事を参照ください。

非エンジニアでも3分でわかる開発用語④ スクラム | 月額制受託開発の株式会社mofmof

アジャイル開発(及びスクラム開発)は、ウォーターフォール開発と比較して論じられることが多く、具体的な手法だと思われていますが、実際には単なるいくつかのプラクティスの集合体です。

メソドロジー(方法論)と呼ぶには相応しくないほどに、人間に依存していている概念です。「こうやれば誰でも上手くいく」という方法論ではなく、「未知なる問題に対処するために、このように取り組みましょう」ということを教えてくれるものです。

アジャイル開発では、ユーザー企業が「プロダクトオーナー」という役割を主体的にこなし、ベンダー企業はプロダクトの「価値」にフォーカスして開発すること、そして両者含めチーム全体が「未知を学習して、手法そのものをアップデートすること」が求められます。

つまり上記に上げた、

  • 自前で作るなら、ユーザー企業はベンダーに丸投げする姿勢を改めて、自らシステムのことを学習し、自らの責任でシステムを構築しましょう
  • ベンダーは顧客にとってシステムを構築する価値がなんなのか、仕様書に書かれていないWHYの部分を死ぬほど理解して開発に臨みましょう(自分ごとなので強調しました)
  • 業界関係者は上記を出来る人材を育成しましょう

を実現することに他ならないのです。

アジャイル開発の根幹はアジャイルソフトウェア開発宣言に書かれているので参考までに記しておきます。

DXという言葉に踊らされないこと

DXという言葉に踊らされて、DXが目的化してしまっている時点で二流、もといWeb2.0流です。目指すべきものはそれではありません。

唯一「DX」という言葉を用いるべきときがあるとするなら、「部長!我社もDXしなければならないんです!!今こそDXのときです!」という瞬間だけです。8割の部長はこれで予算承認が通ります(ウソです)。これが出来ればあなたもDX人材です(ウソです)。

企業の業務における効率を上げること。顧客への価値提供を最大化すること。そのために必要なIT投資はなにか?その問いに真摯に向き合って見えてくるもの、それがDXの目指すところです。

このことは今も昔も何も変わっていません。流行に踊らされず、きっちりやるべきことを見極めていきましょう。

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