どこにお願いしたらいいの!新規事業で絶対に発注してはいけない開発会社の特徴4選

新規事業立ち上げの開発を始めようという時、自社にエンジニアがいれば良いですが、なかなかどこの企業もそう言うわけにもいかず、さあ採用するぞ、というケースもあれば、開発会社に外注しよう、というケースあると思います。

自社にエンジニアがいないということは、当然システム開発における知見が十分にあるわけではなく、いざどこにお願いしようかとなると判断に迷うのではないかと思います。

一口に「システム開発」と言っても、その範囲は広く、制御系などの低レイヤーからSI、WEB系など、開発会社にも得意な分野とそうでない分野があったりします。

これを間違えてしまうと、本来作りたかったものができず、事業を立ち上げるために準備した資金が、無残にも水の泡と化す事例もいくつか見聞きしてきました。

そこで今回は、新規事業の開発においては、こういう開発会社には外注しちゃいけないよっていう以下4つの特徴についてのお話をします。

  1. 自社でエンジニアを抱えていない開発会社
  2. SESしかやってない開発会社
  3. 自社事業がない・もしくは取り組んでいない開発会社
  4. ウォーターフォール型の開発経験しかない開発会社

その1 自社でエンジニアを抱えていない開発会社

言うまでもないですね。自社にエンジニアいないのにどうやって開発すんねん。仮に外部から寄せ集め部隊を作って開発事業やっているにしても、人が安定しないので、確実にノウハウは企業に蓄積していないはず。たまたま担当してくれたエンジニアがめちゃくちゃ優秀だった、って以外には絶対にうまくいかない。

にも関わらず、けっこうこういう開発会社あるんだなこれが。こわいなーこわいなー。猛暑の真夏でも背筋の凍るひんやり体験ができますね!

開発プロジェクトというものは、昔から製造業のプロセスと同じように捉えられがちで、作り手と設計さえ存在すれば計画していた通りにモノが出来上がるという幻想があります。実際には開発プロジェクトとはそんなにシンプルな性質のものではありません。設計は抽象的になりがちだし、作り手の解釈によって出来上がるものも変わってしまいます。現在のシステム開発の方法論では、製造業のように誰がやっても一定のクオリティを担保するということは難しいのです。

自社にエンジニアを抱えている企業であれば、良い方法・良い文化・良い人物を企業に蓄積させることができます。システム開発の難しさに立ち向かうには、体系化された手法論よりも、実際に目の当たりにした事実から学びを抽出し、よりよく進化させて積み重ねていくことが必要なのです。

その2 SESしかやってない開発会社

SESというのはシステムエンジニアリングサービスの略で、要は自社のエンジニアを外部の企業へ常駐させて仕事させるエンジニア派遣サービスです。

大企業のプロジェクトに多いのですが、何分仕事量が多すぎて猫の手も借りたい状況が慢性的に続いていて、とにかく手っ取り早くエンジニアを集められるSESを利用しているケースがまだまだ多いです。

このビジネスモデル非常にシンプルで儲かる仕組みになっていて、まるでITのことがちんぷんかんぷんな人がこのビジネスやっててもけっこう成り立っちゃうんですよこれが。

で、SESである程度ビジネスがうまくいくとどうするかって、派遣常駐させるんじゃなくて自社内で請け負って開発やろうって流れになるのがテンプレなんですね。

するとどうなるか?

なんと言うことでしょう、ITのことがちんぷんかんぷんで、自前でプロジェクトをマネジメントしてきた実績もないような企業が開発請け負うんですよ。

こわいなーこわいなー。40℃近いたぎるような暑さをも簡単に吹き飛ばしてしまいますね!

SESで常駐する先は一般的にそこそこ大きい企業のプロジェクトであることが多いです。ほとんどの場合、常駐するエンジニアはそのプロジェクトの一部を担うことになります。人によってはプログラミングだけでなく、PMに近い業務を担当ケースもありますが、それでも全体のほんの一部でしかありません。

全体の一部を担当するのと、システム開発プロジェクトをまるっと請け負うのでは、全くやることが異なります。前者は主に作ることにフォーカスして仕事をしていきますが、後者は作るだけではなく、作るものの価値の実現にフォーカスしなければなりません。場合によっては作らないという選択肢を提示することすらあります。

SES事業しかやっていない会社は、エンジニアがいれば価値あるシステムを作れると誤解しがちです。本当はただ「作れる」だけでは不足していて、いかに価値を実現できるかのロードマップを描き、プロジェクトとプロダクトの両方をマネジメントし、最大の成果を実現する力が必要なのです。

その3 自社事業がない・もしくは取り組んでいない開発会社

これは一概には言えないのですが、新規事業を任せる会社は、新規事業を自分でやってみたことがある開発会社の方が圧倒的にうまく行きます。

事業開発とプロダクト開発は、表裏一体のもので、特に新規事業立ち上げにおいては、本来切り離してはならないものです。

事業開発には色々な困難が伴います。例えば、

  • 立ち上げようとしているサービスに実はニーズがなかったことが後からわかる
  • 当初計画していたプロモーション施策では、十分にユーザーにリーチ出来なかった
  • サービスを作っている最中に強い競合サービスが登場してしまった

などなど挙げればキリがないです。

でもこれって新規事業やってみた人にしかこの困難って分からないんですよね。作ってリリースしたらあとは自動的に売れると思ってる。

ただ作るだけで上手くいくことなんてほとんどなくて、マーケティング戦略や、顧客開拓、セールスのことも考えて、どの部分を優先して、どの部分を優先しないか、作り手自身も考えることが出来なければ、多くの貴重なリソースを無駄にしてしまうんです。

だから、開発ビジネス以外にも自社事業持っている開発会社や、あるいは事業立ち上げのチャレンジをしている開発会社に発注するのを全力でオススメします。

その4 ウォーターフォール型の開発経験しかない開発会社

ホワイトボードに貼ってある資料たち

システム開発の業界では、頻繁にウォーターフォールかアジャイルか?を対比させた話が登場します。

ウォーターフォール型の開発の詳細な説明は参考リンクを見ていただければと思います。

ウォーターフォール型開発はなぜ時代の潮流に合わないのか?

簡単に言うと、要件定義 => 設計 => 開発 => 検証の工程を一つずつ順番に進めていく手法で、前工程は常に正しいという前提で手戻りのないように次工程に進めていくスタイルをとります。

歴史の長い手法ではありますが、計画を重要視するため、前工程での誤りを修正して改善していくことが苦手で、サービスやプロダクトの方向性を変えようという時(例えば事業をピボットする時)などに、それに追従していくことが非常に困難な状況に陥りやすいです。

特に新規事業の開発では、水と油のごとく相性が悪く本当に上手くいきません。そこでアジャイル型の開発スタイルでやろうというのが、昨今のWEB系の開発現場では一般的になっています。

アジャイル開発とは、上記のウォーターフォール型の開発の工程(要件定義〜設計〜開発〜検証)のスパンを1,2週間くらいに短くして、繰り返し繰り返しやっていく手法です。

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こちらは仕様の変更に柔軟に追従していくことができるので、新規事業の開発のように何を作っていくべきかを「走りながら考える」ような開発に向いています。

というか、言い切っていいですがウォーターフォール型で新規事業の開発なんてあまりにも難しすぎます。至難の技です。

従ってアジャイル開発のスタイルに慣れている開発会社と協力して開発していくのが上手くいく可能性を高めると言えます。

アジャイルだから上手くいくとは言い切れないのがシステム開発の難しさですけどね。これはまた後日話します。

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記事の作成者・監修者
原田 敦
-
Atsushi Harada
CEO / エンジニア
「作って人をしあわせにする」ことがミッション。多くの人を幸せにするプロダクトを世に送り出すことが、クリエイターにとって至上の幸せだと思ってます。デスマを憎んで人を憎まず。よりよいソフトウェアは、よりよいチームから生まれると思ってます。
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