MVPに盛り込む機能の選び方 簡単2ステップ紹介

こんにちは!mofmofで新規事業の受託開発に関わっているエンジニアの岩井です。 今回は、新規プロダクト開発時に必ず発生する検討事項「MVPにはどれだけの機能を盛り込めばいいの?」「新規プロダクトの最初のゴールをどう定義したらいいの?」についてどうアプローチすればよいかをお話ししたいと思います。

MVPとは

MVPとはMinimum Viable Productの略です。書籍「リーン・スタートアップ」では「実用最小限の製品」と訳され、価値を実現する最も小さい製品のことを指します。

https://www.mof-mof.co.jp/service/mvp より

詳しくはこちら

MVPを作る目的は、多くの人に使ってもらうことでも、好きになってもらうことでもなく、自分たちが学習するためです。アイデアの中で最も重要な価値を実現し、その有用性を検証するとともにフィードバックを得て次の一手を検討する、そのための手法です。

多くの機能を盛り込んだとしても、使われるのはせいぜい4割程度だという話があります。あまり使われない便利機能を盛り込むためにリリースを遅らせたりコストをかけたりすることは無駄でしかありません。本当に必要とされる機能を効率的に選定しスピーディに市場に出していくために、MVPという概念は重要です。

ここで問題になってくるのが「自分たちのアイデアをどうMVPに落とし込むのか」でしょう。多くの機能を盛り込むと過剰なコストやロスが発生し、かといって削りすぎると価値提供や適切な学習ができません。

今回はこれに対してmofmofで活用している手法を用いて取り組んでみたいと思います。もし検討中のアイデアをお持ちでしたら、ぜひ読みながら実際に取り組んでみてください。

MVP像を見極める

インセプションデッキを活用する

まずはプロジェクトの意義やコアとなる価値を明確にしましょう。これにはアジャイル開発で活用されるインセプションデッキが効果を発揮します。

インセプションデッキの詳細についてはこちらの記事をご覧いただければと思います。

特に、以下の3枚のスライドを埋めるのが効果的なのではないかと思います。

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1. 我われはなぜここにいるのか

プロジェクトに取り組む意義を明確にします。企業でいう企業理念のようなものですね。このプロジェクトで実現したい未来から逆算して、本当に届けるべき価値を考えることができるようになります。

2. エレベーターピッチ

最初のスライドは抽象度の高いものでしたが、エレベーターピッチはもう少しプロダクトに目線が寄ったものになります。 ターゲット・コアとなる価値・差別化要素を明確にすることで、プロダクトから欠いてはならないものを明らかにすることができます。

3. やらないことリスト

より具体的に、機能ごとにやる・やらないを明確にするためのスライドです。ここでいう「やらない」は、最初のリリースまでという意味合いで考えましょう。「やらない」に入れた内容も、フェーズが変われば「やる」に移動することがあります。

インセプションデッキには、これらの他にもプロジェクトに取り組むうえで大切なことを明らかにできるスライドがたくさんあるので、時間があればぜひ取り組んでみてください。

アジャイルの教科書が作成したテンプレート
他にも調べるとテンプレートが出てくるので、興味があれば見てみてください。

これらに取り組むことによってある程度の指針と、多少具体的な機能の取捨選択が完了するはずです。続けてより具体的な提供価値の取捨選択に取り組んでいきましょう。

ユーザーストーリーマッピング

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プロジェクトの骨子が明確になったら、詳細を考えていきましょう。その際に活用できるのが「ユーザーストーリーマッピング」という手法です。

ユーザーストーリーマッピングとはなんぞや、についてはこちらの記事に解説があるのでご覧いただければと思います。
https://www.mof-mof.co.jp/blog/column/startup-see-miro

軽くご紹介をすると、

  • ユーザーストーリー: そのサービス上でユーザーが体験できること・享受できる価値を表現したチケットのようなもの
  • ユーザーストーリーマッピング: ユーザーストーリーを時系列や利用主体、優先度等によってカテゴライズしマッピングしたもの

となります。サービス全体で提供しうる体験や価値を洗い出したうえで並びかえていき、それによって全体像を整理しようとするものです。

これに取り組むと、あるラインより上にある機能はMVPに盛り込む・そうでないものは次回以降のフェーズで実装する、という判断ができるようになります。個々のユーザーストーリーをMVPに盛り込むかどうかについてはインセプションデッキを参考にしたり、狩野モデルという分類を活用し判断していくのがよいでしょう。

また、ベンチマークとなる競合がいるようなプロダクトを作る際には、まずは競合プロダクトでできることを実現していくという手を取りがちですが、その際にも上記の考え方を活用しきちんと取捨選択することが重要でしょう。

初回リリース時点ではコンテンツ数やトラフィックは競合より圧倒的に少ないはずです。リッチな検索機能や、レコメンドの充実、ユーザー間のやりとりの利便性を競合基準で備えたとしても、十分にワークしないという結果になるケースが大半でしょう。そういった差異を認識したうえで最小限を見極めることが重要です。

まとめ

MVPについて、考え方とその見極めに活用できるツールを紹介しました。 どれも手軽に取り組める内容になっているので、お悩みであればぜひトライしてみてください。

mofmofではMVP開発を得意とする月額制受託開発「開発チームレンタル」を運営しています。 アイデア段階であっても、今回紹介したようなツールを活用しMVP像を考えるところからサポートいたしますので、「こんなことやりたいんだけどどうすればいいの?」といったご相談もお気軽にいただければと思います。

開発チームレンタル

以上、MVPのスコープの定め方・削り方でした。

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記事の作成者・監修者
Railsエンジニアです。ものづくりの人として成長するためにSIerからmofmofにやってきました。プロダクトに関わる全ての人を喜ばせたい。卓球室のある家を建てるのが夢。
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