イケてるエンジニアになるために必要な「1つの行動」と「3つのポイント」

こんにちは。エンジニアと弊社代表原田の対談企画をお届けいたします。
今回はお話して下さったのは、esa LLCに所属されつつ、株式会社キッズスターの技術顧問を務める越川 直人さん。
エンジニアリング以外にも様々な経験をお持ちなのですが、それらを経験された経緯や感じたこと、エンジニアがエンジニアリング以外で伸ばしていくべき分野等について語って下さいました。
多くのエンジニアが必要とされている現在、イケてるエンジニアになる為のヒントをお伝えしていきます。

対談の様子1

本日はありがとうございます。早速ですが、越川さんはエンジニア以外にも様々なご経験があると伺いました。越川さんのご経歴から教えていただけますか?

越川)
大学生になる前にですね、1年間貯めたバイト代で、初めてのパソコンとしてWindows機とMacの違いも分からずに当時出たばかりのiMac(Rev.B)を買ったんです。
それでインターネットに出会って、いわゆるホームページを作っていく中でCGIというものを知り、ホームページにチャットなどを設置すると見てくれる人からのフィードバックが来て凄く楽しくて。「これが仕事になったら最高だ!」と思ったんですよね。 でも最初はプログラミンというよりデザインに興味があったので、WEBのデザイナーに憧れがありました。
ただ、大学で経営情報学科にいたこともあって、最初はSIerの会社に入りました。
そしたら自分がやれると思っていたこと、面白いと思っていたWEBの仕事は全くできなかったんですよね。そういう会社ではなかったので、そりゃそうなんですけど。それですぐに転職してWEB業界に行きました。
最初の会社が数千人規模の凄く大きな会社だったのですが、2社目はベンチャーと言うか小さい会社で、自分が入った時24歳だったんですが、部長は30代だしチームリーダーなんて26歳だし。そこからして結構カルチャーショックがありました。

原田)
そうですよね。大企業だと部長と言えば50代って感じですもんね。

越川)
うん。転職して凄く良かったのは、自分がイメージしていたものに凄く近い形で仕事を任せてもらえたことですね。
開発の一部分だけでなく、工程の全てを任せてもらえたんです。サーバー構築も設計も、もちろんコード書くのも。WEB開発の0〜1を経験できたし、そこからお客さんとやり取りをして1〜10までの展開も経験できた。自分に取って凄く転機になりました。
開発自体が凄く楽しかったです。それにチームメンバーも良くて、成長の場としても凄く良かったですね。 当時はperlやPHP、あとはFlashの仕事がメインでした。
のちにフロントエンドがより重要になっていって、JavaScriptが台頭してくると、サーバサイドの設計とは別の考え方が重要になって来たわけですが、あれが苦にならなかったのは、ここでFlashに関われたからですね。

まあそれから色々あったんですが、全部話すと長くなるので、原田さんとの出会いまで早送りすると、あれは私が起業した2013年でしたね。今はesaという情報共有サービスを作っている会社に所属しています。

エンジニアに留まらないご経験は意識的にされてきたんですか?

越川)
その話で言うと、2社目の会社が凄くキーになっていますね。エンジニアリング以外の第一歩が踏めた会社です。
小さい会社だと、少しコードが書けると結構信頼してもらえるんですよ。
任せてもらえることが増える中で、新しく入ってきた人を育てるとかマネジメント系のこともお願いされるようになりました。やったことが無かったので試行錯誤でしたけど、やってみたらそれなりにできたので、その点でも信頼してもらえました。
でもやっぱりエンジニアリングという点でまだ成長したい気持ちもあり、自分のエンジニアとしての将来に不安を感じて、転職を決意しました。
次はどういう所で働こうかなって考えた時に、自分が一番使っているWEBサービスに関わりたいと思って、次の会社に行ったんですが、、、
とてつもない、ものすごく大きな挫折を味わいました。
自分では、以前の会社ではエンジニアリングのトップレベルの方だと思っていたんです。でもここで本当のトップレベルの人たちに出会って、自分はエンジニアリング能力だけでなくエンジニアの文化も知識も実力も全然足りないんだと知りました。痛感しました。
そもそもIDで呼び合う文化に驚いたり。

対談の様子2

原田)
IDで呼びあうのってその時代からあったんですね。
IDで呼びあうのって結構独自文化ですよね。

越川)
そうそう。それもベンチャー界隈のインターネット界隈だけなんですかねえ。
あの時は、はてなのIDかツイッターのIDで呼び合っていた気がします。
あと、勉強会とかものすごい行ってるし、インターネットに対しても日々アンテナを張っている。昨日話題になってた記事の話とかも全然ついていけなくて、検索したらやっと何の話か分かるみたいな。本当に、そういう文化とか全然知らなかったですね。

原田)
今じゃppworksさんですけどね 笑

越川)
そうですか?自分じゃ全然そんな感じしないけど 笑
それで、この頃、技術的な観点でも、文化的な観点でも挫折したんですよね。
2社目で井の中の蛙だったころから、外に出ることで、初めて自分の正しい位置を知れました。自分の位置って気づく機会がないと気づけないものですが、私は気づけた方が幸せになれると思ってます。気づいた瞬間は辛いけど。
この時ですね。エンジニアリング以外もできないと、あの人達には勝てないって思いました。

原田)
「まだ本気だしてないだけだ。まだイケる。」とは思わなかったんですか?

越川)
それも少しはあったけれど、やっぱりエンジニアリング以外もやらなければいけないって分かってしまいましたね。何となくですけれど。
この経験は大きかったですね。 その後は、友人(この記事に出てくる福森くん))が所属していた会社にタイミング良く誘われたので、そこからフリーランスになりました。
そこでは、頼ってもらう中で「おれ、やっぱり出来るじゃん。」って自信を取り戻せて、でも身の程を知って「勉強もしなきゃ」って言う気持ちもあって、挫折した後の凄く良い回復期になりました。

エンジニアリング以外が出来るエンジニアの強みってなんでしょうか

越川)
単純な話だけど、評価はしてもらい易いですね。企業の中だと、評価してくれる人ってエンジニアでない場合が多いから、エンジニアリングだけだと評価軸として刺さりにくいんですよね。そして、評価というのは給与など報酬に直結するわけで。

原田)
エンジニアとしてある程度実力があったら、それ以上の実力が多少あっても売上には直接繋がらないですしね。
メンバーとコミュニケーションが取れるとか、お客さんと話せるとか、任せられる範囲が広ければ広いほど評価が上がりやすいし、しやすい。

越川)
自分としても、価値の実現に近づきやすくなりますよね。
分かりやすい価値を提供できれば、任せられることが増えて、立場が上がって、自分の裁量が増える。
結局自分が目指すものを目指せるようになるには、自分が任せてもらって、仕切れる範囲が増えないといけないですからね。

対談の様子3

越川さんが思うイケてるエンジニア像を教えてください。

越川)
エンジニアって言っても、みんな軸は違いますよね。
その軸を、自分が一番得意とする軸をちゃんと理解しつつ、その周辺をいかにカバー出来る人。それと、きちんと外にアウトプット出来る人。かな。
好きなもの、スキルの周辺に得意なことを作れるといいよね。
もちろんアウトプットしない人がイケてないって言いたいわけではなくて。

原田)
うん。分かります。

越川)
これ、「イケてる」の定義をしといたほうがいいね。

イケてるエンジニアになるためのアドバイスをお願いします。

原田)
20代の若者向けにお願いします。

越川)
「挫折しましょう」
自分の雑魚さ加減に1回気がつくことが大事だと思いますね。情熱プログラマーに、「自分が一番下手くそでいよう」っていうのがあるんですよ。本当にそうだと思いますね。
外に出るのも大事ですね。外に出ないと自分が下手くそなことを自覚できませんからね。
挫折して、打ち砕かれた時、悔しい思いをして、そこから這い上がってこれるか。これポイントですよね。
あ、逃げる時期があってもいいんですよ。いつもいつも戦わなきゃいけないわけじゃない。でも、ここぞという時にはがんばって、弱い自分と戦う時期も必要。

対談の様子4

今回沢山お話しいただいたのですが、まだ話した経歴としては1/3くらいだそうなので、次の機会に残りの2/3もお聴きしてシリーズ化できたらと思いました。お話しありがとうございました!