「インセプションデッキを作って良かった」と思った3つのポイント
2019.09.17こんにちは!mofmofエンジニアの寺山です。私はアジャイル開発において指針となる「インセプションデッキ」を実際につくり、利用しながら開発をしています。
しかし、インセプションデッキをあまり知らない頃は、それを作る時間があったら開発したい!と思ってしまっていました。
今回は、「インセプションデッキ」を作ったら「こんな良いことがあった」ということを3つほど紹介します。
目次
- インセプションデッキとは
- こんな良いことがあるインセプションデッキ
- プロジェクトを平和に進めることができる
- 開発の振り返り基準となる
- プロジェクトのリマインダーとなる
- プロジェクトを平和に進めることができる
- まとめ
インセプションデッキとは
インセプションデッキが何かよくわからないという方はぜひこちらの記事を読んでみてください。詳しく紹介されています。
記事でも触れている通り、インセプションデッキを一言で言うと「プロジェクトのWhyとHowを明確にするため」のものです。WhyとHowを明確にすると、自ずと迷ったときの指針ができます。
会社で「ミッション・ビジョン・バリュー」などを決めて指針にしているものをプロジェクト単位に落とし込んだものだと考えるとイメージしやすいかもしれません。
こんな良いことがあるインセプションデッキ
ここからは、私がインセプションデッキを導入して、実感した良かったポイントを3つ紹介していきます。
1. プロジェクトを平和に進めることができる
プロジェクトには様々な立場の人(プロダクトオーナー、開発チーム、デザイナーなどなど)がいます。そのため、それぞれが良かれと思ってしたことがぶつかってしまうことがあります。そんな時に、向かうべき方向が共有できていないと、相手の悪いところばかりに目がいってしまいます。
しかし、お互いを責めても、プロジェクトの成功には繋がりませんよね…。インセプションデッキを「みんなで作る」ことで、トラブルが起こった際に向かう方向は「プロジェクトの成功」であることを認識することができます。
無駄な争いを避け、同じ方向を向くためのコミュニケーションの潤滑油のような存在としてプロジェクトの成功に貢献してくれます。
2. 開発の振り返り基準となる
mofmofではプロジェクト毎に開発チームでKPTを実施しています。KPTは「Keep(良かったこと)・Problem(課題に思ったこと)」の2つの要素をまず共有し、そこから「Try(次に挑戦・改善すること)」を明確にしていくという振り返りです。この際に、Keep, Problemの判断軸としてインセプションデッキで決めたことが機能します。
例えば、開発の進捗が想定よりもやや遅れているケースがありました。この時、トレードオフスライダーを見ると「期日を死守する」を最も重視するとなっています。そこで、自分たちは無意識の内に必要以上にレビューに時間をかけすぎていたのではないかというProblemが得られました。そこからレビューのフローを改善するTryを実践することができました。
プロダクトオーナーも、開発チームも「良いものを作ろう」と思うあまりに、気がつくと「期日を死守する」に沿わない選択をしてしまっていることがあります。その度にインセプションデッキが「お前達の真の目的を見失うな」と指針を教えてくれます。
3. プロジェクトのリマインダーとなる
インセプションデッキは最初に作って終わりではなく、定期的に振り返り更新します。1ヶ月ほどたった時点で改めて見てみると、自分たちの向かっている方向が間違っていないことを教えてくれたり、忘れていたことを思い出させてくれたりします。また、新しいメンバーが加入したときにもスムーズにプロジェクトの目指すところを共有することができます。
このように、定期的に軌道修正するきっかけにもなります。
アジャイル開発は変更に強いというメリットがある一方で、目標を常に意識していないと、いつの間にか軌道がずれてしまっているという危険性もあります。そんなアジャイル開発だからこそ、インセプションデッキが効果を発揮してくれます。
まとめ
今回は上記、3点のみを挙げましたが、他にも役に立つことが多くあります。私は、エンジニアとして感じたポイントを紹介しましたが、プロダクトオーナーなどの他の立場の人からすると別のメリットも感じているかと思います。
新規事業を立ち上げる際にはインセプションデッキを作って、プロジェクトの「潤滑油」「指針」「リマインダー」として活かしてみてはいかがでしょうか?
mofmofでは開発着手前にインセプションデッキの作成に取り組む設計
プランも設けています。気になる方は、是非、こちらからお問い合わせください。
以上、「インセプションデッキを作って良かった」と思った3つのポイントでした。