もふもふ技術部

IT技術系mofmofメディア

「調査ストーリー」について社内テックトークで話してみた

調査ストーリーとは、ユーザーストーリーが実現可能かを調査するためのタスクです(ユーザーストーリーはアジャイル開発でよく用いられる作業の最小単位)。プロジェクトを進めていると、調査ストーリーを作成することがよくありますが、調査ストーリーを作成するタイミングや方法について整理してみたいと思っていました。

そこで今回は、mofmofで毎週行っている技術や開発について話し合う「テックトーク」の時間を使って議論しましたので、その内容を紹介します。

結論

  • 調査ストーリーの運用や考え方は人やチームによって異なる。
    • 自分のアプローチを確立した上でチームのアプローチを把握する
  • 調査ストーリーを作成するタイミング
    • ユーザーストーリーが実現可能か不明な場合
    • ユーザーストーリーの分割や優先度を検討し、見積もり精度を向上させたい場合
  • 調査ストーリーのポイント設定方法
    • 1スプリント内で調査が可能な場合は、「chore」としてストーリーを作成(ポイントは付与せず、バッファで対応)
    • 20%以上の工数が見込まれる場合は、「feature」としてストーリーを作成し、ポイントを付与する

調査ストーリーの運用や考え方は人やチームによって異なる

まず最初に、調査ストーリーに対するアプローチは人やチームによって異なることがわかりました。

mofmofメンバーの中でも、調査ストーリーを作成するタイミングや見積もりの方法は異なっていました。プロジェクトによっても最適な方法は異なり、絶対的な正解は存在しないようです。

しかし、自身の基本的なアプローチを確立することは重要です。新しいプロジェクトが始まった場合は、この基本的なアプローチをもとにルールを設定し、他のプロジェクトに参加した場合はそのプロジェクトのアプローチを理解する必要があります。

調査ストーリーを作成するタイミング

調査ストーリーはユーザーストーリーの前段階であり、調査が完了した後にユーザーストーリーに取り組むことになります。では、ユーザーストーリーに取り組むのであれば、なぜ調査ストーリーが必要なのでしょうか?この疑問に対するテックトークでの意見は次の通りです。

  • 難易度の高いユーザーストーリーに区切りをつけるために、調査ストーリーが役立つ
  • ユーザーストーリーの見積もり精度を向上させるために、調査が必要な場合がある
    • 見積もりに基づき、ユーザーストーリーの優先度を設定したい
    • 調査が完了した後、再び見積もりを行い、ユーザーストーリーの優先度を変更する

したがって、以下のような場合に調査ストーリーを作成することが望ましいという結論に至りました。

  • ユーザーストーリーが実現可能か不明な場合
  • ユーザーストーリーの分割や優先度を検討し、見積もり精度を向上させたい場合

調査ストーリーのポイント設定方法

ストーリーポイントは通常、「ユーザーに提供される価値を数値化したもの」と見なされますが、調査ストーリー自体は価値を提供しないため、ポイントを付与するのは適切ではないという意見もありました。

そもそもストーリーポイントが「ユーザーに提供される価値を数値化したもの」であるという考え方について意見が分かれる可能性がありますが、今回の議論では「機能を開発するためには調査が必要な行為であるため、調査ストーリーにポイントを付与する」という結論に至りました。

ただし、すぐに終わりそうな調査にはポイントを付与せず、スプリントのバッファを使用することが望ましいとされました。例えば、スプリントの20%未満の場合はポイントを付与しないなど、プロジェクトごとに基準を設定することが重要です。

まとめ

今回は調査ストーリーについて、テックトークの時間を使ってざっくばらんに話してみました。明確な答えは出ませんでしたが、「個人やチームによって考え方が違う」こと自体を共通認識として得ることができたのは大きな収穫だったと思います。