Rails7がリリースされてから、環境構築で躓いた経験がある方は少なくないのではないでしょうか。
今回は、Rails7 + PostgreSQL + importmap の環境を docker-compose で構築していきたいと思います。
Rails7 + PostgreSQL + esbuild の環境構築については以下の記事をご参照ください。
www.mof-mof.co.jp
1. ファイルを準備する
まず始めに、以下の2つのファイルを作成します。
- Dockerfile.dev
- docker-compose.yml
Rails7.1から rails new
で新規プロジェクトを作成したときに Dockerfile
が自動生成されるようになりました。
そこで今回は、開発用のDockerfile
は名前が競合しないように Dockerfile.dev
と別名にしています。
次に、各ファイルの中身を以下のようにしていきます。
Dockerfile.dev
ポイント
Dockerfile.dev
の中ではRailsをインストールしません。Railsプロジェクト内には Gemfile
と Gemfile.lock
があるはずなので、そちらを参照して正しいバージョンのRailsをインストールするべきです。
FROM ruby:3.3.0-alpine RUN apk add --no-cache git build-base libxml2-dev libxslt-dev postgresql-dev postgresql-client tzdata bash vim && \ cp /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime ENV APP_ROOT /app RUN mkdir $APP_ROOT WORKDIR $APP_ROOT ENV LANG=ja_JP.UTF-8 \ BUNDLE_JOBS=4 \ BUNDLE_RETRY=3 \ EDITOR=vim RUN gem update --system && \ gem install --no-document bundler:2.5.7 RUN bundle config set force_ruby_platform true
docker-compose.yml
ポイント1
command
の箇所で Railsサーバーを起動する前に bundle install
を実行しています。もしGemfileに変更があったとしても、コンテナを起動する前にgemの変更点が適用されます。これでRailsサーバーを起動したときに「あ〜〜、bundle install忘れてた!!」という事件が起きにくくなるでしょう。
ポイント2
/usr/local/bundle
をvolumeにマウントすることにより、 bundle install
で作成されたbundleデータが永続化されます。これにより、コンテナを起動するたびに「bundle install めっちゃ長いな〜〜」という待ち時間を削減できるでしょう。
version: '3' services: app: build: context: . dockerfile: "Dockerfile.dev" stdin_open: true tty: true ports: - 3000:3000 command: /bin/sh -c "bundle install && rm -f tmp/pids/server.pid && bin/rails s -b 0.0.0.0 -p 3000" environment: DB_USER: postgres DB_PASS: postgres DB_HOST: postgres DB_PORT: 5432 depends_on: - postgres volumes: - .:/app:delegated - bundle-data:/usr/local/bundle:delegated postgres: image: postgres:16.2 stdin_open: true tty: true restart: always ports: - 5432:5432 environment: PGDATA: /var/lib/postgresql/data/pgdata POSTGRES_USER: postgres POSTGRES_PASSWORD: postgres TZ: Asia/Tokyo volumes: - pgsql-data:/var/lib/postgresql/data:cached volumes: pgsql-data: bundle-data:
2. 環境構築をする
ファイルの準備ができたら、各種コマンドを実行していきます。
今回は、新規Railsプロジェクトを作成してみます。
1. docker compose build
を実行します。
2. docker compose run --rm app gem install rails
を実行します。
最新のRailsがインストールされます。
3. docker compose run --rm app rails new . -d postgresql
を実行します。
DBにPostgreSQLを使用しますよというオプションをつけます。
このまま実行するとアプリの名前が App
になるので、変えたい場合は -n アプリの名前
のオプションを追加します。
4. config/database.yml
の default
内に以下を追記します。
username: <%= ENV['DB_USER'] %> password: <%= ENV['DB_PASS'] %> host: <%= ENV['DB_HOST'] %>
5. docker compose up postgres -d
を実行します。
DBを作成するために、postgresコンテナだけ立ち上げます。
6. docker compose run --rm app rails db:create
を実行します。
これでdevelopment用とtest用のDBが作成されました。
7. docker compose stop postgres
を実行します。
postgresコンテナが停止します。
8. docker compose up
を実行します。
Railsサーバーを起動しています。
9. http://localhost:3000/ にアクセスしてページが表示されれば完了です。
最後に
これでRails7の環境構築ができました!
ボイラープレートをGitHubで公開していますので是非ご活用ください!!
github.com