mofmofでは最近、「LeanとDevOpsの科学」という本の輪読会を行っています。 この本の輪読会は定期的に開催し、順次後ろの章についてもログを投稿する予定です。
過去の記事はこちら - 第1章:なぜケイパビリティに着目するのか。LeanとDevOpsの科学を読んだ記録(1章) - 第2章:開発組織のパフォーマンスをどうやって測定するのか。LeanとDevOpsの科学を読んだ記録(2章)
組織文化はなぜ重要か?
組織文化からソフトウェアデリバリと組織のパフォーマンスを予測できるとのこと。
また、DevOpsのプラクティスを実践することで組織文化に好影響を与え、改善することができることが明らかになったと書いてある。
つまり、DevOpsのプラクティスの実践→組織文化の改善→ソフトウェアデリバリと組織のパフォーマンス向上という風に繋がってくる。
Googleの調査研究の例
トップレベルのパフォーマンスを示すチームの間に共通点はあるか?
- チームの個々のメンバーの素養よりも、チームの力の方が重要という結果が出た
- 特に失敗や事故に対して、ヒューマンエラーで片付けるのではなく、どう仕組みを変えれば未然に防げるかを考えられるかが重要とのこと
- 背景には、事故は一人の誤りで起こるのことはほぼなく、複数の要因が複雑に絡み合って発生する、という考えがある。
良い組織文化とは?
Westrum 博士の組織文化モデル(本書ではこのモデルを基にしている)では、下記の6つの側面が挙げられている。
- 積極的に協力する
- 情報を積極的に活用する
- リスクを共有する
- つながりを奨励する
- 失敗を調査する
- 新規性を積極的に受け入れる
組織文化をどうやって測るか?
リッカート尺度によるアンケートで調査した。
下記のようなWestrum 博士の調査項目を使用し「全く同意できない」から「強く同意できる」までの7段階で回答をさせている。
- 自分のチームでは、積極的に情報を求めている。
- 失敗のニュースや悪い報告をしても処罰されることはない。
- 自分のチームでは責任が共有されている。
- 自分のチームでは、機能横断的なコラボレーションが奨励されている。
- 自分のチームでは、失敗を調査している。
- 自分のチームでは、新しいアイデアを歓迎している。
議論に出たこと
- Westrum 博士の良い組織文化の6つの側面は体感でもわかる気がする
- 良い組織文化をどう根づかせるかが重要
- 積極的に組織文化を発信することが必要かもしれない
- DevOps活動をやっているということが良い組織文化作りにつながっている
- 失敗した時の対応は新しいメンバーに対して特に重要そう
- エンジニアリング組織の健全さの指標としてDDD(
deploys / a day / a developer
)があるが、プロジェクトの現在のDDDをまず測ってみる